もちねこのペアダンスメモ

もちねこのペアダンスメモ

異国のダンスを学ぶ

ウエスト・コースト・スウィングのカルチャーについて

エスト・コースト・スウィング(WCS)のカルチャーについて、日本でWCSを牽引するTokyo Swing Gangのインストラクター・イベントオーガナイザーのAya SugihiraがFacebookに投稿しており、ぜひ紹介したいと思ったので、ご本人より許可を頂いて、下記に転載する。

併せて、Ayaのダンス動画やWCSのInternational Rallyの動画も紹介する。 

【West Coast Swingについて】


ここのところ、他ジャンルのダンス経験者の方から、WCSのソーシャルについて

「初心者でも皆さんどんどん誘ってくれる」というお褒めの言葉と、「どうして?」というご質問を受けることが多く、個人的に思うところをちょっと書いてみます。

ちょっと、っていう分量じゃないけども。

★Jack&Jill(ジャック&ジル)


日本語でいうと「太郎と花子」みたいなもんでしょうか?
予め、決まったパートナーではなく、「ハイ、この人と踊ってね♡」と、その場で無作為に決められた相手と、「ハイ、この曲でヨロシク♪」とたまたまかかる楽曲で踊って、それを審査員が評価するという試合のスタイルで、WCSでは主流のカテゴリーになります。

動画は試合の様子。

個別審査なので、リーダー、フォロワーそれぞれがゼッケンをつけています。

 
MADjam 2019 Novice Jack & Jill

★Swing Point(スイング・ポイント)

WCSの世界には、米国のWSDC(The World Swing Dance Council 世界スイングダンス協会)が制定している、世界共通のポイント制度があります。

www.worldsdc.com

協会が認定する公式イベントでの試合成績によってポイントが付与され、

  • Novice(ノービス)、
  • Intermediate(インターミディエイト)、
  • Advance(アドバンス)、
  • Allstar(オールスター)...

というようにレベル分けがされています。

 

★レベル分け

このレベルは、Novice J&J、All star J&J、というように、試合の階級分けに使うほか、グループレッスンのレベル分けにも使われます。Level2と書いてあるクラスには誰でも参加できるけど、Level3はIntermediate以上なら参加可能、などですね。

 

★ポイント絶対主義を回避するオーディションの存在

前述のように、意外としっかりした組織と制度が存在するWCS界ですが、もちろんダンスの楽しみ方なんて人それぞれなわけで、全員がポイントゲットに目くじら立ててるわけじゃないし、その必要もございません。

実力はあるけど試合に興味がない人、環境の違いなどで公式試合に参加できるチャンスが少ない人(日本人は、どうしてもこの問題があります)もいます。

そんな人たちのために、イベントでは、レベルオーディションが用意されており、それに通過すればポイントが達していなくても、上のクラスのレッスンが受講できます。

ポイント持ってりゃエライ、みたいにならないようにしているのはいい仕組みだなあ、と。

 

★オーディションは、試合には適用されない

ただし、このオーディション結果、試合のカテゴリー分けには適用されません。
ポイントがなければ、どんなに上手でも一番下のNoviceカテゴリーでのエントリーとなります。

従って、Noviceは初心・初級者のみならず、まだ昇格ポイントに達していない経験者、実力は格上だけどポイント持っていない人、などが混在する、なかなかエグいカテゴリーなわけです。

ちなみに言うまでもなく、Noviceが最も参加者が多く、その中で予選、セミファイナルと勝ち抜いてファイナリストになっても、5位以内に入賞できなかったら僅か1ポイントしかつきません。

ちなみに次のIntermediateにあがるには16ポイントが必要になります。エグい。笑

 

★J&Jの審査方法

相手がその場で決まるJ&Jでは、予選、セミファイナルまではペアごとの評価ではなく、一人ひとりを審査します。

よって、リーダーが通過してフォロワーが落ちる、とかその逆とか、二人ともダメだった、とかがありえます。

ペアダンスの場合「リーダーが上手ければフォロワーは踊れてしまうものだ」的な神話があって「リーダーが下手だから、私もうまく踊れなかった」という嘆きが生まれるわけですが、WCSの場合、相手のリズムが狂ってようと、動きがおかしかろうとリーダー、フォロワー共に自分のリズムやダンスをキープすることが可能なので(なんで可能なのか知りたい方はレッスンにどうぞ♡笑)単独評価が成り立ちます。

とはいうものの受ける影響はゼロではないし、当たり外れの運みたいなものがなるべく介在しないよう、J&Jでは最低でも3回くらい相手をシャッフルさせて審査します。このへんもよくできてるなと。

 

★J&Jという試合スタイルとその効能

  • 誰とあたるかわからない
  • 同カテゴリー内でも、レベル格差がすごい
  • 初心者と当たる可能性は、出る前から想定の範囲内
  • 個人評価なので相手のせいにできない
  • お互いへのリスペクトなくしてはよいダンスができないので、組んだ時のハグやスマイル、終わった時のありがとうなど、人間性、社交性が試合でとっても大事
  • ソーシャルと試合が別物ではなく、極めてリンクしている、即興こそがWCSの醍醐味だという思想がある
  • ゆえに初心者さんと踊るのに抵抗ないというか、なんならむしろいい練習や勉強になっちゃう

 

★というわけで


・かつてLevel3のレッスン中、某海外プロが

「貴方達、もし初心者と踊るのは嫌だという人がいたらこの部屋から出て、Level2に行きなさい。よいダンサーは、誰とでもよいダンスをクリエイトできるものなの。

と諭すようにみんなに言っていました。


・昨年、参加した米国の人気イベントのESSでは、

「ソーシャルでは、リストバンド(レベルによって色分けされてる)を裏返しなさい」とアナウンスがありました。

相手のレベルによって誘ったり断ったりを判断しないでほしいと。


・All Starクラスの友人は、先日「上手くなればなるほど、誰とでも楽しく踊れるようになってきた」と話してくれました。

 

そんなWCSの世界が、わたしはめーっちゃ大好きです💕


…で、終わるかと思いきや、もうちょっと。笑

 

★イントラや上級者の言動、行動は伝播する!

上記みたいなことを、活字にしたのは初めてなんだけど、事あるごとに、生徒さんや仲間達とは、話してるんですね。

それがちゃんと伝わってくれているんだなぁ、と嬉しく思ったし、同時に、自らの考えや言動、行動がシーンの文化に影響をおよぼすのだなと、身が引き締まる思いでした。(なんならほんとに身が引き締まってほしい。→余談)
ダンスの技術だけでなく、マインドも伝えられるイントラでありたい。

 

★素敵な仲間に恵まれてる!

いやー、そこそこ長いこと頑張っているつもりですが、まだまだWCSのコミュニティが小さい!

でも、だからこそずっと一緒に踊ってきている仲間たちは、すでにイチ参加者でなく、コミュニティのことを自然に考えて行動してくれている人たちです。

そんな彼らは男女ともに、本当によくフロアを見てくれてる。

頼まずとも、ポツンとしてそうな人を見つけては話しかけたり踊りに誘ったり、毎回女性全員と踊る方も。

中には、ラストダンスの曲がかかるとすぐには踊らず、みんなのパートナーアップが終わるのを見届けてから、一人でいる初心者さんを誘うというジェントルマンもいらっしゃる😭(わたしは気づいてますよシゲさんっ!)

そんな東京WCSのシーンが、わたしはめーっちゃ大好きです💕
みんな愛してるよー!!!(Aya Sugihira)

 


【ウエスト・コースト・スウィングのイベント・レッスン最新情報】

エスト・コースト・スウィングを実際に体験されたいと思った方は、Facebookで最新情報がチェックできる。

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【West Coast Swing Japan】公開グループなので、誰でも見ることができる。

Swing Dance の一種である「West Coast Swing (WCS)」に興味のある方、愛好者の方のためのグループページです。

www.facebook.com

West Coast Swing Japan【Lesson&Event Information】(要ログイン)

https://www.facebook.com/wcsjapan/

グーグルカレンダーは下記より閲覧できる。 

West Coast Swing JAPAN - Tokyo

(カレンダーにはTokyo Swing Gang主催以外のWCSイベントも記載あり)

火曜日をメインとした平日の都内レッスンのほか、土日も毎週イベントがあるようだ。 

 

 

【大阪】 

Ayaは大阪でも定期的にWCSのレッスンとイベントを行っている。

kansaiwesties.wixsite.com

詳しいスケジュール

【Aya's WCS in Osaka - West Coast Swing】(要ログイン)

https://www.facebook.com/wcsosaka/

 


 【動画】

・Robert Cordoba&Aya Sugihira


Robert Cordoba & Aya Sugihira / West Coast Swing

2016年、全米SwingダンスチャンピオンのRobert Cordoba氏とAyaによるWCSのインプロビゼーション

WCSの即興性と、音に合わせている感じ、楽しさが動画からでも伝わってくる。

Robert Cordoba氏は何度も来日してWCSの普及に協力してくれている。

www.robcordoba.com

 

・Jose&Aya

Tokyo Swing GangのインストラクターのJoseとAYAによるインプロビゼーション


JOSE and AYA - West Coast Swing Inprovisation

相手や曲によって、色合いを変える様子が見て取れる。 

【音楽】

ちなみに、WCSの音楽については、下記を参照されたい。

まず、WCSが踊れる曲の基本の一つはSwingです。
「Swing Music」、ジャズですね、いわゆる4ビート。(4ビートとか8ビートって和製英語らしいですね、英語圏では4th note rhythm、または4th note feelと言うらしいですが)
WCSは1940年代にリンディーホップから発生したという説もあるようです。
West Coast Swingというくらいなので Swing Dance の一種で、ジルバ、リンディーホップなどの仲間なので当然Swing Jazzですね。
ということで、まずはSwing Jazz、(4ビート)です。

Moonglow / Janet Seidel


Janet Seidel sings "MOON GROW"

 


Lovers Secrets Lies- Peter Cincotti

 

次にシャッフルのリズム。
よくBluesなどで聞く3連のニュアンスを感じるリズムですね。
3連といっても6/8拍子、ロッカバラードといわれてるリズムではないので、気を付けて下さいね。これでは踊れないので。

シャッフル系の曲は、たとえばこんな感じ。
Etta James / Baby What You Want Me To Do


Etta James - Baby What You Want Me To Do


Coco Montoya / Back In A Cadillac


Coco Montoya - Back In A Cadillac


Alva's Baby's Blues / Ray Sharpe


Ray Sharpe - Texas Boogie Blues ( Full Album ) 1980

シャッフルについてはこちらをチェック

そして、このシャッフルのリズムのはねた感じを抑えたリズム
EvenとかStraight Noteとか呼ばれているようです。簡単に言うと8ビートっていうことですね、Rock Beatなんていう言い方もあるようですが。
これはWest Coast Swingが他のSwing Danceと違う一番の特徴で、他のSwing Danceはバウンス、膝を曲げる方にアクセントを置く感じで踊るのに対してWCSは決して上下に跳ねない、逆に膝を伸ばす方にアクセントを置くという独特の踊りのスタイルにも関係しているんじゃないかと思います。

Knock On Wood / Eddie Floyd


Eddie Floyd - Knock On Wood


Sign Your Name / Sheryl Crow


Sheryl Crow - Sign Your Name

ドラムのバスドラとスネアなどの「ドン タン ドンドン タン」という、2拍目と4拍目のアクセント(バックビート)がWCSのステップの「ウォーク、ウォーク、トリプルステップ」と重なることもWCSが8ビートに合う理由の一つだと思います。

また、Swing Jazz、シャッフルもそうですね、跳ねたリズムになっていますが、やはりシンバルレガートやバックビートなどが「ウォーク、ウォーク」や「トリプルステップ、トリプルステップ」と重なるので音楽に乗れる訳なんですね。

WCSに使える曲の”基本のリズム”は以上の3つです。

このリズムの要素を感じる曲であれば、新しい曲、古い曲は関係ありません。40年代、50年代のジャズ、ブルース、ロックンロールなどから、現在のヒットチャートの曲まで、幅広いジャンルと年代の曲で踊れます。

WCSが踊れる曲はすべて基本のリズム(スウィング、シャッフル、8ビート)のどれかに当てはまっている、または曲の中にそのリズムを感じる曲になっています。
また、その基本のリズムではない曲、またはそのリズムを感じにくい曲はWCSには適していない曲といえるでしょう。

ところで、曲の早さはというと、一般的にはBPM で80~120くらいの間で選ばれています。
特に初心者の方などは80~100くらいのゆったりした早さが練習にもいいと思います。

Tokyo Swing Gang | West Coast Swing 

※(16ビートの音楽についての言及もあるので、該当ページで最後まで読んでほしい)

・以下のページでは、各インストラクターによるPlaylistが公開されている。

Tokyo Swing Gang | West Coast Swing


【International Rally インターナショナル・ラリー】

WCSでは、Rally(ラリー) という、毎年、フランスが5月頃に発信する振り付けを、全世界で覚えて、9月の第1土曜日に、一斉に踊るワールドプロジェクトがある。フラッシュモブ要素のある、お祭り的なイベントのようだ。

 

今年のRallyも、日本のWesties(ウエストコーストスウィングダンサーのこと)が参加している。


International Rally West Coast Swing 2019 TOKYO, Japan PART1


International Rally West Coast Swing 2019 TOKYO, Japan PART2


International Rally West Coast Swing 2019 TOKYO, Japan PART3

 

Facebook(West Coast Swing Japan)では、広島、奈良の動画等も投稿されている。鹿が写っていたり楽しそうである。

 


International Rally West Coast Swing 2019 NARA, Japan - PartⅠ

 


International Rally West Coast Swing 2019 NARA, Japan - PartⅡ

番外

2018年のホノルルのインターナショナルラリーの投稿動画。

ハワイのホノルルという圧倒的な地の利を生かした絶景で撮影されている。


International Rally West Coast Swing Honolulu 2018 #IRWCSHONOLULU #WCSOAHU #IRWCS #IRWCS2018


 

いかがだったろうか。WCSの自由で楽しい雰囲気が伝われば幸いである。

ご関心を持たれた方は、ぜひお近くのイベントやレッスンに足を運んでみて頂きたい。