- はじめに
- 1.広く応用できる技術を教えるときは「リーダーとフォロワーへ」と言うこと
- 2.最初に教えるべきムーブメントの側面を検討する
- 3.推論ベースのフォロー指導を避けること
- 4.フォロワーにトラブルシューティングのアドバイスを与えること
- 5.フォローの技術を後押しすること
- ボーナス1–フォロワー(とリーダー)に質問する
- ボーナス2–フィードバックの原則を教える
- 新しい時代
- アラン・レイポルト
- シドニー・チャリス
はじめに
教師は「リーダーの罠」にいともたやすくはまってしまいます。多くの場合、リードに構造を教え、フォロワーに単に「フォロー」させることが多くのムーブメントには最も理にかなっています。しかし、これは意図しない結果をもたらします。
例えば、多くのレッスンでは、フォロー中心のレッスンが行われていないために、フォローには自分が小道具のように感じられるため、この学習プロセスに幻滅を感じています。それはまた、フォローは「簡単」で、常にリーダーのクオリティの結果であるという考えを強化していくのです。
結果的に、なぜ、いつ、どのように自分たちのダンスの役割をするかという意識的な理解を持つ為のフォローの能力を発育不全にしてしまいます。
それを念頭に置いて、どの先生でも、クラスでリーダーと同じレベルで、フォロワーの役割を目立たせることができる5つの簡単な方法と、リードとフォローの両方の経験を強化する2つのボーナスの方法をご紹介します。
1.広く応用できる技術を教えるときは「リーダーとフォロワーへ」と言うこと
教師がリードのためにコンセプトを説明して、そして
やっと最後に「…フォロワーは基本的に同じことをします」と後付けでくっつける
ようなやり方を耳にタコができるほど聞いてきました。
もしその場合は、両方の役割に同じ指示を出してください。
こういう言い方をすれば、フォローの人たちの心を、そのダンスのコンセプトに向かわせ、彼らにも学ぶべき重要なものであると感じさせます。
そうしないと、大方の場合、取り残されたフォロー達がいる部屋で、あなた方教師が、教材を長時間教えることはよくありますが、フォロー達にとっては学習機会が過ぎてから遅ればせながら教材を教わることになるのです。
最初のような言い方はまた、フォローする人々に、教材に関するあなた方の教えは計画された要素ではなく、後付けであったように感じさせています。
たとえ、一方の役がもう一方の役の鏡対象であっても、「リーダーとフォロワーの両方がこのことを知っている必要があります。それはあなたが[反対方向で/反対側で]することになります」のようなことが言えますね。
2.最初に教えるべきムーブメントの側面を検討する
ムーブメントの中には、フォロワーが自分の特徴を最初に学んだ方がうまくいくものもあります。
例えば、私はズークのシンプルなターンを、どのようにリードするかを説明する前に、まずフォロワーの適切に配置されたアームの軌道を、リーダーを「フォロー」することで指導します。
これはすべてのムーブメントに最適なアプローチではないかもしれませんが、最初にフォロー中心の動作を特徴とするインストラクションに順序を切り替えることは、クラスの焦点のバランスを取り、フォロワーの役割のテクニカルな要件を強調するのに役立ちます。
3.推論ベースのフォロー指導を避けること
多くの教師が提案ベース型の方法で、ムーブメントを教えています。例えば、ムーブメントを「リーダーの方は、フォローを動かすには、フォローに対して___する必要があります。」と説明します。
これは本質的に間違っているわけではありませんが、
「フォロワーの方、あなたが___と感じたら、それに適切に対応するために必要なことを説明します。」という第二の部分でフォローアップする必要があることを忘れないでください。
例えば、もっとムーブメントに踏み込むする必要がありますか?ディレイ効果をクリエイトしますか?体の特定の部分をリラックスさせます/働かせますか?体を積み上げたままでしょうか?
基本的に、フォロワーが何に責任を持って行動するのかを明確に伝え、それが後付けではなくきちんと焦点が当たっていることを確認します。
もし教師がそのような細部まではっきりした指示を忘れてしまった場合は、推論に基づくフォロー指導になります。
つまり、あなたは教師として、フォローの役割の実行に関連した指示を提供せずに、フォロワー自身で教師の教えの穴埋めをするようにフォロワーに要求しているのです。
ボーナス効果:
フォロワーにどのようにリアクトすべき(相互作用を及ぼす)かを説明することに慣れると、生徒はフォロワーの役割として何をする必要があるかを理解しているので、より早く、動きがムーブメントが機能していない時に、よりずっと積極的にトラブルシューティングすることができるようになります。そして、多くのリードは、フォローは何か特定のものに貢献しなければならないという認識を高め始めます。つまり、より大きな強制力が答えではないということに気づくのです。
4.フォロワーにトラブルシューティングのアドバイスを与えること
より多くの教師が、リーダーに様々なフォローの要望を安全にマネージし/ナビゲートする方法を教えることの重要性を認識しつつあります。例えば、いつ/どのようにクローズドホールドにするか、不快感の兆候など。
しかし、多くの教師は、フォロワーがダンスをマネージするために意識的に何ができるかについて指導していません。これには、一般的なリーダーの間違いに対処する方法、荒っぽいリーダーや不快なリーダーをマネージする方法など全てが含まれます。
例えば、フォローが理想的でないリードをフォローするかどうやって決定し、どうやってそれを快適にすることができるのでしょうか?最悪の場合、どのようにして怪我から身を守ればいいのでしょうか?どんなことを感じるでしょうか?
また、これらをリアルタイムでトラブルシューティングして、より良いダンスをクリエイトするにはどうすれば良いですか?
これらはすべて、フォローする人がソーシャルダンス環境をマネージする方法を学ぶために必要なものなのです。
5.フォローの技術を後押しすること
もしフォローで以前に学んだことがあるシンプルなパターンがある場合、それをリーダーは何かを学ぶけれど、フォロワーは何も考えずに繰り返すことになってはいけません。代わりに、体重移動、姿勢、アラインメント、エンゲージメント、スポッティングなど、改善が必要な特定の事柄に焦点を当てましょう。
パターンがどれだけ単純か、フォロワーがどれだけ優秀かは問題ではありません。
「リードの力学を学習する動く小道具としてのフォロー」 を避ける為に、フォロワーに焦点を当てたり、何かに取り組んだりする必要があります。
ボーナス1–フォロワー(とリーダー)に質問する
私は両方の役にかなり頻繁に抜き打ちテストをします。
「リードの方、フォロワーが踏み入れなかったらどうしますか?」から「フォロワーの方、ここでの手がかりは何ですか?」または、「前回、何に集中してと言いましたか?」まで。
私は、質問に関して、役割間でかなり均等に時間を割くようにしています。
重要なのは、質問のかなりの部分を、具体的に次のように平準化して、それらの質問がダンスの素材と関連していることを確認する必要があるということです。
ボーナス2–フィードバックの原則を教える
私のレッスンはどれも練習時間が多く、生徒たちは皆、協力して建設的に勉強する方法を学ぶことになっています。その主な部分は、各人がより良く学ぶ必要があることについてのオープンなコミュニケーションです。たとえば、より多くの反復練習、リードからの強制が少ない、フォロワーの待機時間の長さ、練習スピードの遅さなどです。これは、フォロワーの代理人は、彼らの声を活用し、学習に建設的な方法でパートナーシップを導くことができます。
また、クラスというのは単に新しい動きを学ぶためだけのものではなく、ダンスパートナーのそれぞれ両方がダンスを改善させるためのものであることを、指導者が理解するのに役立ちます。
新しい時代
古いクラスの指導メソッドを変更して、リードとフォローの両方が同じ放映時間を共有できるようにしましょう。
それは、より幸せで、より良いダンサーとコミュニティにつながります。
私が見逃した戦略はありますか?以下のコメント欄へどうぞ。
アラン・レイポルト
2019年9月23日5:55 PM
私は、フットワークやコンセプトが許せば、ロールスイッチ(role-switching)を使うのが好きです。これは、口頭でのフィードバックを使わなくても、リードが貢献できるように感じられる素晴らしい方法です。それはまた、その動きがどのように見えるかということを超えて、その感覚を理解させます。どちらの役割も、スキルを成功させたり、不器用にしたりするための微妙なニュアンスを認識するようになり、レッスンの間、積極的に何か難しいことに挑戦しています。
シドニー・チャリス
2019年9月23日6:39 PM
すべてにイエス!あと2点追加したいです。
1) あなたがわかったと思ったからといって、パートナーがそうだというわけではありません。リードは、動きがうまくいくと練習をやめることがよくありますが、練習を続けたいかフォローに確認しません。双方とも、より多くの情報を得るために立ち止まって待つよりも、自分たちが持っているトレーニング時間を使いたいと思うべきです。何かを正しく一度に行うことができる場合は、いつでもそれをより良くすることができます…
2) リードは、動きを確実に終わらせてください。失敗したからといって途中で止まってしまうと、フォローは動きを完了できず、さらに間違った場所でブロックされると怪我をすることもあります。難しいヘッドの動きのパターンの途中で一時停止するようなことは疲れることであるということを忘れがちであり、それはリードが一度リードした動きにフォローするようにして、無意識のうちに自分の学習をフォローより優先するのではなく、フォローに共感できるようにするためのもう一つの理由です。
覚えておいてほしいのは、一時間もスピンするのは難しいということ。特にそのやり方を学ぶためにクラスにいる場合は😉。
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この記事の作者 ローラ・リーヴァ(LAURA RIVA)について。
カナダのトロントを拠点とするローラ・リーヴァは、あらゆる形態のダンスを熱烈に愛好している。2008年以来、ブルースやスウィング、タンゴ、サルサなどあらゆる音楽に手を出してきた。しかし、彼女の心はブラジリアン・ズークとウエストコースト・スウィングの音楽的、即興的、滑らかな感覚に奪われた。
2013年、ローラのダンスに対する野望は、dZouk Productionsの創設者であるダリウス・ジとズークのパートナーシップを結ぶことで大きくなった。ローラはダンスに完全に没頭するという夢を持っていたが、そこに到達するための機会、お金、知識はなかった。ダリウスはズークとサルサのベテランで、2人で強力なデュオを形成した。
ローラは現在、ズークのコングレスでパートナーと一緒に旅をし、教え、パフォーマンスをしている。そして、2人でトロント内に二つのダンスコングレスを組織している(Canada Zouk CongressとVision Dance Encounter、北米初のSwoukイベント)。
北米で唯一、本格的なダンス作品を上演している(「See Inside Meシー・インサイド・ミー」と「シルク・ド・ズーク Cirque du Zouk」)。「インサイド・ミー」は、2015年夏にオンタリオ州のセレブレーションゾーンで開催されたパン/パラパンナム競技大会の「ベスト・オブ・オンタリオ」に選ばれた。
また、視覚障害者のためのヴィジョン・ダンス・プログラムとズーク大学の共同制作者でもある。2014年以来、ローラとパートナーは、あらゆる年齢や能力の人々と仕事をし、ズークへの愛を広め、世界と踊ってきた。彼らの盲目ダンサーは「インサイド・ミー」に出演している。
ローラはゲルフ大学で演劇と英語の学士号を取得し、ウェスタンオンタリオ大学で法学を学んでいる。彼女は、2016年6月にアッパーカナダ法律協会の弁護士資格を取得した。彼女はクリエイティブなフィクションを書くのが大好きで、この「ダンシンググレープバイン」HPを創作のはけ口として使っている。
ロースクール時代、ローラはダンスに対する情熱から、毎週末学校とトロントの間、片道2.5時間運転し、ズークでのトレーニングと指導を続けた。